よもやま茶飯事

心に浮かんだことを書き綴ります

枕草子・第27段 心ときめきするもの

第27段 心ときめきするもの 心ときめきするもの期待や不安で心がドキドキするもの雀の子飼 稚児(ちご)遊ばする所の前渡たるスズメの子を飼う時、幼い子どもが遊んでいる前を牛車で通る時(※) ※ スズメの子が逃げたり死んだりしないか、幼い子供が牛車にひ…

徒然草・第15段 いづくにもあれ

徒然草の第15段は「いづくにあれ」(旅はどこであっても)。旅は日常を離れ、新たな発見をもたらしてくれます。そんな旅の魅力を兼好法師が語ります。 第15段 いづくにもあれ いづくにもあれ しばし旅だちたるこそ 目覚(さむ)る心地すれどこであろうと、し…

枕草子・第26段 にくきもの (第2回 / 全2回)

枕草子・第26段「にくきもの」(憎らしいもの)の第2回・後半をお届けします。第1回の前半部はこちら 第26段 にくきもの 第2回 あながちなる所に隠し伏せたる人の いびきしたる忍んで来た男を無理な所に隠して寝させたら、いびきをかいているのは憎らしい…

枕草子・第26段「にくきもの」(第1回 / 全2回)

枕草子・第26段は「にくきもの」(憎らしいもの)。ここでは似合わない、不釣り合いなものを憎らしい、いまいましいとして取り上げています。清少納言の観察眼が光ります。長い段のため、2回に分けて掲載します。 第26段 にくきもの にくきもの憎らしいもの…

徒然草・第14段 和歌こそ なお おかしきものなれ

徒然草の第14段は、和歌についての兼好法師の自論が展開されます。平安時代の人が読んだ和歌は今(鎌倉時代)に比べて、もっと素直で安らかで、歌の姿も清らかで、趣も深いと述べています。 第14段 和歌こそ なお おかしきものなれ 和歌こそ なおおかしきも…

枕草子 第24段・第25段

枕草子・第24段は「たゆまるるもの」(気が緩むもの)、第25段は「人にあなづらるるもの」(人にあなどられるもの)、共に短い段なので、まとめて掲載します。 第24段 たゆまるるもの たゆまるるもの自然に気が緩むもの 精進の日の行い仏道精進の日の勤行は…

徒然草・第13段 ひとり灯のもとに

第13段 ひとり灯のもとに ひとり灯(ともしび)のもとに 文を広げて一人で灯りの下で、書物を広げて 見ぬ世の人を 友とするぞ見も知らぬ世の人を、友とすることこそ こよなう慰むわざなるこよなく心が慰められるものである

枕草子・第23段「すさまじきもの」(第3回/全3回)

枕草子・第23段「すさまじきもの」の最終回。日常生活で生じる興覚めな出来事が綴られます。当時の都で人々がどんな暮らしをしていたかが垣間見えます。 枕草子・第23段「すさまじきもの」(第3回・最終話) よろしう詠みたりと思う歌をまずまず上手く詠め…

枕草子・第23段 すさまじきもの(第2回/全3回)

枕草子・第23段のパート2の「すさまじきもの」(興覚めするもの)は、人間にまつわるお話です。 枕草子・第23段 すままじきもの 第2回 験者(げむざ)の 物の怪 調ずとて修験者が魔物を調伏するとして いみじう したり顔に 独鈷(とこ)や数珠(じゅず)な…

枕草子・第23段 すさまじきもの(第1回/全3回)

枕草子・第23段は「すさまじきもの」。不調和で興覚めするものがテーマです。ミスマッチや場違い、期待はずれといった出来事が描かれます。 第23段 すさまじきもの (第1回/全3回) すさまじきもの不調和で興ざめするもの 昼ほゆる犬 春の網代(あじろ) …

徒然草・第12段 同じ心ならん人と

秋は人恋しい季節、第12段では兼好法師が人間関係について語ります。 第12段 同じ心ならん人と 同じ心ならん人と しめやかに物語して同じ心をもつ人と、しんみりと語り合い おかしき事も 世のはかなき事も楽しい事や、世のはかなき事などを うらなく言い慰(…

枕草子・第22段 生いさきなく、まめやかに

枕草子・第22段は女性のキャリアについて書かれています。清少納言は、親の勧めで結婚するより、一度、宮中で仕事をしてみるのも悪くないと語ります。 第22段 生いさきなく、まめやかに 生(お)い先さきなく まめやかに先の見込みもなく、生真面目に えせ …

徒然草・第11段 神無月のころ

兼好法師は山里にひっそりと暮らしている人を訪ねます。落ち着いた風情のある暮らしぶりに感心していると、残念な光景を目にします。 第11段 神無月のころ 神無月のころ 来栖野(くるすの)という所を過ぎて初冬の陰暦10月の頃、来栖野(※)という所を通って…

枕草子・第21段 清涼殿の丑寅の隅の 第4回 最終回

第4回・最終回は、前回に続き中宮・定子のお話の続きから始まります。村上天皇と宣耀殿の女御である藤原芳子とのエピソードです。村上天皇は一条天皇の祖父にあたり、藤原芳子は中宮・定子から見ると曽祖父の弟の娘にあたります。 清涼殿の丑寅の隅の (4/4…

枕草子・第21段 清涼殿の丑寅の隅の 第3回

第2回の段では、中宮・定子は一条天皇の御前で女房たちに対し、今すぐ思いつく和歌を書くように命じていました。その後、この第3回の段では、和歌の上の句を読み上げ、その続きを答えるようにという試験を始めます。清少納言たち女房は帝の御前ということ…

枕草子・第21段 清涼殿の丑寅の隅の 第2回

のどかな春の日、宮中には帝である一条天皇、后である中宮・定子とその兄、藤原伊周という「中の関白家」の主だったメンバーが顔を揃えています。 帝が昼の食事を済まされ、戻ってこられたのを見計らって、中宮・定子はそばに控える女房たちにある課題を与え…

枕草子・第21段 清涼殿の丑寅の隅の 第1回

この段の出来事は994年頃とされています。ちょうど清少納言が宮仕えを始めて1年経つかどうかという時期です。この時期、清少納言が仕えた中宮・定子の父、藤原道隆の「中の関白家」は全盛期を迎えつつあります。 この段はとても長いため、4回に分けてお届…

徒然草 第10段 家居のつきづきしく

徒然草・第10段は住まいと暮らしぶりについて書かれています。自然にあれこれ手を入れるのを諫めています。 第10段 家居のつきづきしく 家居(いえい)の つきづきしく あらまほしきこそ 住まいがその人にとって似つかわしくて、望ましいのは 仮の宿りとは思…

ガン保険に入りました

これまでガン保険も含めて医療保険は入る意味があまりないと思っていた。日本では公的医療保険がある程度のレベルで整備されているし、仮に自己負担額が重くなっても 高額療養費制度によって自己負担の上限が定められているから、あえて民間の保険で備える必…

読書メモ 『ヒトはなぜ「がん」になるのか』

人類にとっての最大の脅威は何だろう? 核戦争か、新型感染症か、それとも地球温暖化か、人によって答えは違うだろうが、間違いなく上位に入るのが「ガン」だろう ガンという病気は古代ローマ時代にすでに知られていた。それから2000年以上経過した今も恐れ…

枕草子・第11段~第20段

枕草子・第11段から20段にかけては、山は、市は、峰は、原は、淵は、海は、みささぎは、渡りは、たちは、家は、といったようにお馴染みの「〇〇は」で始まる短い段が続きます。いずれも和歌の歌枕として取り上げられていたものと思われます。 第11段 山は 山…

徒然草・第9段 女は髪のめでたからんこそ

女は髪のめでたからんこそ女は髪の美しいような人こそ 人の目たつべかめれ人は目を向けるもののようだ 人のほど 心映えなどは人柄や、気だてなどは もの言いたる気配にこそしゃべっている様子だけでも 物越しにも知らるれ物越しにも(※)様子はわかる ※ 平安…

枕草子・第10段 今内裏の東をば

今内裏(いまだいり)の東をば 北の陣と言う仮の皇居である一条大宮院(※)の東を、北の陣という ※999年に内裏が焼失、翌1000年に新しく内裏が完成するまでの間、一条大宮院が仮の皇居になります 梨の木のはるかに高きを梨の木がとても高いのを 「いく尋(ひ…

徒然草・第8段 世の人の心惑わす事

仏教が説く6つの感覚(六根)である眼、耳、鼻、舌、身、意のうち、この段では男性目線で、眼と鼻から女性に目がくらむ様を「心惑わす事」としています。 第8段 世の人の心惑わす事 世の人の心惑わす事世の人の心を惑わす事で 色欲にはしかず色欲に及ぶも…

枕草子・第8段+第9段

第8段は四季折々の風情を描いた短い一段。それに続きさらに短い第9段が続きます。 第8段 正月一日、三月三日は 正月一日 三月三日は いとうららかなる正月一日、三月三日は、とてもうららか 五月五日 曇り暮らしたる五月五日の節句の日(※)、一日中曇り …

徒然草・第7段 あだし野の露

「過ぎたるは猶及ばざるが如し」という諺の通り、あまり長く生きるのもの考えものなのかもしれません。 7段 あだし野の露 あだし野の露 消ゆる時なくあだし野(※)の露は、消えることなく ※京都・嵯峨野の奥にあった墓地 鳥部山(とりべやま)の煙 立ち去ら…

枕草子・第7段 上に候ふ御猫は その2

宮中で飼われていた犬の「翁まろ」は、帝が可愛がっているネコを襲った罪で追放されます。清少納言たちは「翁まろ」はどうなってしまったのか気になっていると、一匹の犬が現れます。 第7段のその1はこちら 第7段 上に候ふ御猫は 2/2 暗うなりて 物食わせ…

枕草子・第7段 上に候ふ御猫は その1

枕草子・第7段はペットを巡るお話。猫は平安時代にペットとして飼われていましたが、犬はペットというより狩猟のために飼われていたようです。そんな犬と猫との違いがわかるプロローグで物語は始まります。 第7段 上に候ふ御猫は 1/2 上に候ふ御猫は かう…

徒然草・第6段 わが身のやんごとなからんにも

わが身の やんごとなからんにもわが身が、高貴であろうような場合でも まして 数ならざらんにもましてや、物の数に入らぬ身分である場合も 子という物 なくてありなん子供というものは、いないに越したことはない

枕草子・第5段 大進生昌が家に その3 (最終)

これまで、清少納言に笑い者にされている平生昌(なりまさ)ですが、今回も言葉使いや振る舞いが嘲笑のネタになります。 第6段 大進生昌が家に 3/3 姫宮の御方の童(わらは)べの 装束つかうまつるべきよし 仰せらるるに中宮さまが、姫宮である脩子内親…