第27段 心ときめきするもの
心ときめきするもの
期待や不安で心がドキドキするもの
雀の子飼 稚児(ちご)遊ばする所の前渡たる
スズメの子を飼う時、幼い子どもが遊んでいる前を牛車で通る時(※)
※ スズメの子が逃げたり死んだりしないか、幼い子供が牛車にひかれたりしないかと思ってハラハラする
よき薫物(たきもの)焚きて 一人臥(ふ)したる
上質の香を焚いて、一人で横になっているとき
唐鏡(からかがみ)の少し暗き 見たる
異国の鏡に少し曇りがあるのを見たとき(※)
※ 解釈には諸説があり、当時の中国の上質な鏡には曇りが生じることがあったという説や、鏡が曇ることで自分が美しく見えるさまを書いたものという説。また中国には宝鏡という不思議な鏡があり、人の心を映し、妖怪の存在を見破ったとされた。この鏡は日食や月食が近づくと曇りが生じたことから、この唐鏡がこの宝鏡のようであるように思え「心ときめく」という説など
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