枕草子・第24段は「たゆまるるもの」(気が緩むもの)、第25段は「人にあなづらるるもの」(人にあなどられるもの)、共に短い段なので、まとめて掲載します。
第24段 たゆまるるもの
たゆまるるもの
自然に気が緩むもの
精進の日の行い
仏道精進の日の勤行は、精進がすぎる余り、かえって気が緩む
遠き急ぎ
はるか遠い先の支度や
寺に久しく籠りたる
お寺に長い間、籠もっている時も、気が緩む
<了>
第25段 人にあなづらるるもの
人にあなづらるるもの
人に侮られるもの
築地(ついじ)の崩れ
土塀の崩れ(※)
※崩れた土塀を修繕しない人は不用心な上、経済力が乏しいとして侮られる
あまり心よしと
あまりにも気立てがよい(お人好し)として
人に知られぬる人
人に知られている人
<了>
【おまけ】
第25段は、能因本では以下の通り。
人にあなづらるるもの
人に侮られるもの
家の北面
家の裏にあたる北側
あまりに心よきと人に知られたる人
あまりにも気立てよしとして人に知られている人
年老いたる翁
歳をとっている男
また あはあはしき女
また、軽々しい女
築地の崩れ
土塀の崩れ