よもやま茶飯事

心に浮かんだことを書き綴ります

2021-01-01から1年間の記事一覧

枕草子・第8段+第9段

第8段は四季折々の風情を描いた短い一段。それに続きさらに短い第9段が続きます。 第8段 正月一日、三月三日は 正月一日 三月三日は いとうららかなる正月一日、三月三日は、とてもうららか 五月五日 曇り暮らしたる五月五日の節句の日(※)、一日中曇り …

徒然草・第7段 あだし野の露

「過ぎたるは猶及ばざるが如し」という諺の通り、あまり長く生きるのもの考えものなのかもしれません。 7段 あだし野の露 あだし野の露 消ゆる時なくあだし野(※)の露は、消えることなく ※京都・嵯峨野の奥にあった墓地 鳥部山(とりべやま)の煙 立ち去ら…

枕草子・第7段 上に候ふ御猫は その2

宮中で飼われていた犬の「翁まろ」は、帝が可愛がっているネコを襲った罪で追放されます。清少納言たちは「翁まろ」はどうなってしまったのか気になっていると、一匹の犬が現れます。 第7段のその1はこちら 第7段 上に候ふ御猫は 2/2 暗うなりて 物食わせ…

枕草子・第7段 上に候ふ御猫は その1

枕草子・第7段はペットを巡るお話。猫は平安時代にペットとして飼われていましたが、犬はペットというより狩猟のために飼われていたようです。そんな犬と猫との違いがわかるプロローグで物語は始まります。 第7段 上に候ふ御猫は 1/2 上に候ふ御猫は かう…

徒然草・第6段 わが身のやんごとなからんにも

わが身の やんごとなからんにもわが身が、高貴であろうような場合でも まして 数ならざらんにもましてや、物の数に入らぬ身分である場合も 子という物 なくてありなん子供というものは、いないに越したことはない

枕草子・第5段 大進生昌が家に その3 (最終)

これまで、清少納言に笑い者にされている平生昌(なりまさ)ですが、今回も言葉使いや振る舞いが嘲笑のネタになります。 第6段 大進生昌が家に 3/3 姫宮の御方の童(わらは)べの 装束つかうまつるべきよし 仰せらるるに中宮さまが、姫宮である脩子内親…

枕草子・第6段 「大進生昌が家に」 その2

中宮・定子が住まいを平生昌(なりまさ)の屋敷に移された日の夜、疲れた清少納言たち女房が眠っていると、平生昌が密かにやって来ます。何やらよからぬ目的があるようです。 第6段 大進生昌が家に 2/3 同じ局に住む若き人々などして同じ局に住む若い女房…

枕草子・第6段 「大進生昌が家に」 その1

清少納言が仕える中宮・定子は出産のため、住まいを平生昌(なりまさ)の屋敷に移されます。清少納言も同行しますが、到着するや否や、生昌との間で丁々発止のやりとりが繰り広げられます。この段は長いため3回に分けてお送りします。 第6段 大進生昌が家…

徒然草 第4段・第5段

徒然草の第4段「後の世の事 心に忘れず」はとても短いため、第5段「不幸にして愁に沈める人の」と合わせて掲載します。 第4段 後の世の事 後の世の事 心に忘れず後の世の事を、心に忘れず 仏の道 うとからぬ 心にくし仏の道について、疎くならない生き方…

枕草子 第5段 思わむ子を法師になしたらむこそ

枕草子の第5段は法師について書かれています。清少納言が捉えた当時の僧侶とは、どのような存在だったのでしょう 思わむ子を法師になしたらむこそ 思わむ子を 法師になしたらむこそ 心苦しけれかわいい子を、僧にするのは、心苦しいものである ただ木の端な…

徒然草 第3段 万にいみじくとも

徒然草の第3段は「万(よろず)にいみじくとも」。すべてに優れていても、色恋に縁遠い男は物足りないと兼好法師は説きます。 第3段 万にいみじくとも 万(よろず)に いみじくともすべてに優れていても 色好まざらん男は いと さうざうしくひたむきな恋心…

枕草子・第4段 同じことなれども

枕草子・第4段は言葉について書かれています。とても短い段です。 第4段 同じことなれども 同じことなれども 聞き耳ことなるもの同じ内容には違いないものの、聞いた感じが異なるもの 法師のことば 男のことば 女のことば法師の言葉、男の言葉、女の言葉

徒然草 第2段 いにしえの聖の御代の

第2段 いにしえの聖の御代の 徒然草の第2段は、「政治のカネ」を巡るお話です。今も昔も人の上に立つ人間は質素倹約が求められるようです。 いにしえの聖(ひじり)の御代(みよ)の政(まつりごと)をも忘れかつての聖天子の時代(※)の政治も忘れ ※貴族…

枕草子・第3段 正月一日は(後半)

枕草子・第3段「正月一日は」の後半では、自然の情景を織り込みながら、新春から3月3日の節句、そして4月の賀茂の祭にかけての行事や人々の様子が描かれます。第3段の前半はこちら 正月一日は (後半) 除目(じもく)の頃など 内わたり いとおかし人事…

枕草子 第2段・第3段 頃は正月・正月一日は

枕草子の第2段は短く、次の第3段と一続きになっています。第1段の「春はあけぼの」に続き、新春の出来後が描かれます。第3段は長いため、前後半に分けてお届けします。 第2段 頃は正月 頃は正月、三月、四月、五月、 七、八、九月、十一月、二月時節と…

「90歳。何がめでたい」を読んで、強く生きよう

作家の佐藤愛子さんの本を読む。雑誌の女性セブンに連載されたエッセイをまとめた一冊だ。 本が書かれた当時、佐藤さんは93歳、「お元気でなによりですねぇ」と言われそうだが、本のタイトルは「90歳。何がめでたい」・・・何やら挑戦的だ。

徒然草 序段・1段 つれづれなるままに

序段 つれづれなるままに つれづれなるままになすこともなく、もの寂しさにまかせて 日暮らし 硯に向かいて終日、硯に向かって、 心に映りゆく よしなし事を心に映りゆく、つまらない事を そこはかとなく 書きつくればとりとめもなく、書きつけていると あや…

枕草子・第1段 春はあけぼの

枕草子・第1段 春はあけぼの 春はあけぼの春はあけぼのである やうやう白くなりゆく山ぎは 少し明りてだんだん白くなってゆく山の稜線は、少し明るくなり 紫だちたる雲の細く たなびきたる赤紫色めいた雲が細く、たなびく

「おそめ」という本を読んで

私はお酒はたしなむ程度で、接待したりされたりする機会もあまりない。そんな私でも先輩諸氏から、高級クラブの先駆けとも言える店が京都にあったという話を聞いた記憶がある。 店の名前はすっかり忘れていたが、ある日、書店の本棚を眺めていると、偶然、そ…

「極上の孤独」を読んで

作家の五木寛之さんが週刊誌のコラムでこんな事を書いていた。「孤独は嫌いではないが、孤立はしたくない気持ちがある」 本書の著者の下重暁子(しもじゅう・あきこ)さんも、人々を拒絶するのではなく(=孤立するのではなく)、受け入れながら孤(独)を守…

『ガウディの伝言』 外尾悦郎・著を読んで

サグラダ・ファミリアはスペイン、バルセロナで建設中の教会だ。サグラダ・ファミリアという教会は見たり聞いたりする度に疑問が湧き上がる。 建設が始まって140年も経過しているのはなぜなのか、そして一体いつ完成するのか、施主は完成が遅れて文句を言わ…