枕草子・第23段「すさまじきもの」の最終回。日常生活で生じる興覚めな出来事が綴られます。当時の都で人々がどんな暮らしをしていたかが垣間見えます。
枕草子・第23段「すさまじきもの」(第3回・最終話)
よろしう詠みたりと思う歌を
まずまず上手く詠めた歌を
人のがり遣(や)りたるに 返しせぬ
人の元へ持たせて行かせたところ、返歌がないのは興ざめである
懸想人(けそうぶん)は いかがせむ
恋の相手への思いを託した手紙なら、(返事がなくても)しょうがないが・・・
それだに おりおかしうなどある
それでも、折々の季節の風情がある時に手紙を送ったのに
返事(かえりごと)せぬは 心劣りす
返事をしないのは、見劣りする感じがする