よもやま茶飯事

心に浮かんだことを書き綴ります

定年引退後に忍び寄る危機とは

こんにちは、ヨモです。今年のゴールデンウィークの10連休はいかがお過ごしでしたか。この休みの間に、少しでも「仕事がしたいなぁ」と思った男性の方は(私もその一人ですが)、定年退職後あるいは現役引退後に注意が必要かもしれません。

 

定年や引退後の暮らしは想像していたものとは全く異なることがよくあります。私がこれまで見聞きしてきたエピソードをご紹介しましょう。

 

まもなく現役を引退し会社を辞めるAさんは、もう満員電車で通勤する必要もなく、上司(それも年下)と顔を合わせずに済むと思えば、心が晴れやかになるのを感じていました。これからはゆっくり、のんびり暮らそうと思っていました。

 

しかし、そんな生活も1カ月から2カ月で限界を迎えます。これまで仕事三昧だったAさんのような男性は、何もすることがないという生活が、この先もずっと続くことに心が耐えきれなくなります。

 

そこでAさんは新しく趣味を始めることにしました。定年引退後の男性の趣味は次の3つの条件をすべて満たす必要があります。

  1. おカネがあまりかからない
  2. 時間がつぶせる
  3. 一人でもできる

 

この3つの要件を満たす趣味の一つに釣りがあるため、Aさんは釣りを始めました。このように中高年になって始める趣味は、妥協した選択になってしまうため、往々にして長続きしません。

 

また若い時からの趣味であれば、この時点でかなりの年季が入っており、豊富な知識や経験、スキルがあるため、自分なりに工夫をして、道を極めた人だけが味わえる楽しみを見出せます。

 

しかし年を取ってから釣りを始めたAさんは、道を極めるだけの気力や体力がなく、釣りの持つ奥深い楽しみを手にする前に挫折してしまいました。


「オレは若い時からの趣味があるから大丈夫」と思っている人に、人づてに聞いた別のエピソードをご紹介しましょう。

 

ある会社の創業者のB社長は、高齢になったこともあり、息子さんに経営を譲って引退し、会長になれらました。B会長は、社長時代からゴルフが趣味で、休みの日にはよくゴルフに出かけていました。息子に経営を譲ったから、これからは思う存分、ゴルフを楽しもうと考えていたそうです。幸い貯金や年金、退職金はたっぷりあるため、おカネの心配はありません。

 

それからしばらくして、ある人がB会長に会ったとき、「会長、ゴルフはどうですか?」と聞くと、さっぱりやっていないというのです。「一体、どうしてですか。あんなに楽しみにされていたのに」と尋ねると、「ゴルフなんで全然、やりたいと思わない」という返事でした。B会長に何があったのでしょう?

 

B会長は現役の社長時代は仕事上で相当なストレスがあり、そのストレス発散のためにゴルフに打ち込んでいたのです。現役を引退すると、ストレスもなくなり、ゴルフが全然おもしろくなくなってしまったのです。

 

自分ではゴルフが趣味だと思っていても、実はそれは仕事をしているから趣味になっていただけで、心からの趣味ではなかったのです。B会長は「こんな事なら引退するんじゃなかった」と後悔されていました。

 

 

ピンクの勿忘草の花の写真



AさんやB会長のように、何もすることもなく、趣味も見つからない・長続きしないと、自宅にいる時間が長くなります。すると今度は奥さんがストレスを感じ、中にはノイローゼになる方もあります。

 

これまで夫は朝出勤すると夜遅くまで帰ってこなかったので、奥さんは自由な暮らしを満喫していました。しかし、今は夫が1日の大半、家にいて、3度の食事の支度をしなければならず、出かけようとすると、「どこへ行くんだ」「何時に帰るんだ」「メシはどうするんだ」と、まるで手のかかる子供と同じです。夫が自宅にいることが原因で妻が病気になる夫源病という言葉もあるくらいです。

 

こうした生活に耐えきれず、奥さんがパートで働きに出たり、友人たちとネットを使ってスモールビジネスを始めたりするケースもあります。すると日ごとに奥さんは気力が充実して、稼ぎも夫の年金と引けを取らないくらいになったりします。すると夫はおもしろくありません。ついつい不機嫌になり、嫌みの一つも言うため、夫婦仲もすっかり悪くなってしまったという話もよく聞きます。

 

そんなこんなの紆余曲折を経て、多くの男性はハローワークやシルバー人材センターなどで仕事を見つけて、再び働きに出るようになります。なんだか双六の振り出しに戻ったような話です。

 

現役で働いているみなさん、私も含めてですが、今の仕事を大切にしましょう。